【Yahoo!ニュース個人 公開日時: 2020-09-26 08:03:09
概要文: 少なく見積もっても毎年数万人の子どもたちがトラウマを抱き、「僕たち子どもの声はまったく届か ない」と嘆かせてしまうこの強固な社会システムを、我々自身の「やさしい力」によって変える時が来ている】
■人々のコミュニケーションがポジティブに変わりそう
「革命」と言えば激烈な印象があり、国民自ら変革することが苦手な日本としては最も縁遠い出来事なのかもし れない。
だが、いま日本では、とても静かではあるが、革命というか変革というか、社会や人々のコミュニケーションが ポジティブに変わりそうな事態が進行しているように僕には思える。
その変革とは、当欄でもたびたびとりあげ、前回も「オレンジパレード@大阪」として紹介した「共同親権・共 同養育」社会のことだ)。
離婚後、親権が同居する親側のみに移行する「単独親権システム」はもはや世界でも少数派で、日本を含めて数 ヶ国しか存在しない。
欧米を中心にほぼ世界は「共同親権システム」に移行している。「平日は一方の親、週末はもう一方の親」というあり方(たとえば、一時期のブラッド・ピット/アンジェリー ナ・ジョリー元夫妻)、隔週で子どもと同居する親が入れ替わる方法(フランスではこれが多数派だと言われる) など、その形式は国や各元夫婦で異なるだろう。
それぞれがそれぞれの共同親権・養育を模索しつつ、一番肝心な「子どもにとってどのスタイルが居心地がいい か」を模索する。
夫婦の仲と親子の関係を切り離し、最大の「当事者」である子どもにとってどういう生活スタ イルがベターなのかを模索するのが共同親権・養育の考え方だ。
日本では、フェミニズムの強い影響下からどうしても女性(妻)保護が優先され、その結果「虚偽 DV」が捏造 されたり「子どもの拉致 abduction」が実行され、本当に多くの(年間数万人単位の)子どもと別居親が泣いて きた。
「子どもの利益の最優先」を考えた場合、そうした DV 現象がある場合は従来の単独親権のままとし、加害親か ら遠ざけていけばいい。
だがそれ以外の多数の親子は上のような共同養育を模索する。それが「共同親権システ ム」社会だ。
■「オレンジ革命」
だから、共同親権・養育社会システムは限りなく子どもサイドに立ったもので、本来は非常に「やさしい」システムなのだ。
これまではどうしても単独親権と対立的に語られることが多く、また「親権」という堅っ苦しい言葉がくっつい ているため、それがやさしい社会変革だと想像することは難しかった。
だが、今回で 3 回めとなった「オレンジパレード」を終わってみて徐々にわかってきたことは、それは人々のコ ミュニケーションを変えてはいくものの、子どもにとっては「やさしい変化」だということだ。
それは、夫婦関係のそれとは違い、子ども(と親)にとっては一生変わることのない「親子関係」のあり方を再 構築し続けるものだ。そうした新しい親子イメージが、当日パレードの参加者(別居親の方)によってこのような短い動画に編集され ている(何本かあるうちのひとつを添付しますが、関心ある方は Twitter をご参照ください)。
ウォーキングフェスin大阪
— 猫鳥風月🍊 (@catbirdwindmoon) 2020年9月24日
ムービー新たに作成してみました、数作れば良いのが出来るかな🌱#ウォーキングフェスin大阪 #ポジティブツイート #オレンジパレード #大阪 #親と引き離されない権利 #意見を表す権利 #子育て #親子 #親心 #親子の絆 pic.twitter.com/SjUKSDBNjq
これに対して僕は、こんなツイートを思わずしてしまった。
「共同養育・親権が当たり前の社会へ」〜子どもと別居親たちの現在の苦しみを逆に契機とし、社会システム変革へと動くには、このような絶えざる発信活動が最も重要だと思います。いわば「オレンジ革命」のようなものですね。応援しています♪ https://t.co/Dptj0mMKl2
— 田中俊英 (@tanakatosihide) 2020年9月24日
「革命」なんていう言葉を使うつもりはなかったが、このやさしい雰囲気の動画がなぜか僕にそうした言葉を選 ばせた。
これは従来言われる激烈な革命ではなく、オレンジ色につつまれ、人々をやさしく包み込み、何よりも両親が離 婚した子どもたちに「安心」を与える変革で、これまでだいぶ狭い意味で「親権」を扱ってきた日本社会からす ると、「革命」と呼んでも差し支えない変革なのだ。
「○○革命」は、世界では政治体制の大変革を称するものとして、これまでは用いられてきた。その○○には色 や布地などの用語が当てはめられる。
日本は政治を国民自身が変革することはこれからも苦手だろうが、もしかして「家族のコミュニケーション」の 変革を、我々自らが成し遂げることができるかもしれない。
もう、「vs.単独親権」などといった狭い土俵から降り、世界では家族の普通のコミュニケーションへと変えてい く時期に来ている。
それが、
「オレンジ革命」
ではないか、ということだ。
■「やさしい力」でオレンジパレード
オレンジ革命という言葉の響きに合わせて、以下のような諸々のマークが 登場している。
まずは「フラッグ」。
『 オレンジ革命 』ですって
— 🍊KANASHIRO🍊 (@KANASHIRONAOTO) 2020年9月25日
素敵やん!革命旗作ってみましたよ。
子どもの心を解放せよ!https://t.co/tdcvNDychT https://t.co/fN78YzWaNI pic.twitter.com/4nUe7d6b2m
前回も紹介したが、T シャツ。
急いで当日出荷のTシャツ作ってみた。9時までに入稿すれば間に合う。 pic.twitter.com/jzF6TuhaCd
— 🍊とんかつ (@PapaTonkatsu) 2020年9月17日
お子様ランチ風(?)小旗。
早速お子様ランチ風の旗作ってみました。#オレンジ革命 https://t.co/ncb0LKboop pic.twitter.com/y7ZFPYGrrl
— 🧡🧡nc🧡🧡 (@2zDzNviTDW9fDR5) 2020年9月25日
そしてブログ。
ほかにもいくつもの連動した動きは見られる。
こうした、「中心」は存在しておらず、各自がそれぞれの創意工夫で「オレンジ革命」を静かにつくりあげていく ことも、この「やさしい社会革命」の特徴だ。
とにかく、少なく見積もっても毎年数万人の子どもたちが寂しい思いをし時にはそれがトラウマとなり、「僕た ち子どもの声はまったく届かない」と嘆かせてしまう現在の強固な社会システムを、我々みずからの「やさしい 力」によって変えていく時が来ている。