tanakatosihide’s blog

一般社団法人officeドーナツトーク代表、田中俊英のブログです。8年間Yahoo!ニュース個人で連載したものから「サルベージ」した記事も含まれます😀

パートナーズカフェ①報告「(夫が)責める/詰める」とは何か?

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パートナーズカフェは哲学カフェのため、基本的に板書はしないが、必要最低事項と次回予告のみ書いた。

■「哲学カフェ」の手法

 

僕は2年前から「共同親権」について考えてきたが、2年前に比べてはるかに共同親権が知られるようになり、法制審議会においても法改正の議論が行われている。

 

そうして共同親権を考え続けてきて、「子どもファースト」であることは何よりも必要だとして、だがそれを阻むものがあると、結論づけている。

 

子どもファーストを阻むもの、それは、カップル(夫婦)に刻印された恨み/怨嗟/諦め/憎しみ等の、さまざまなネガティブな感情だ。

 

このそれぞれに刻印されたネガティブな感情を言語化し相対化しないと、子どもファーストは単なるお題目に終わってしまう。

 

その言語化の作業を、「哲学カフェ」の手法を用いて行なおうというのが、この「パートナーズカフェ」だ。

 

■負の感情のピラミッド

 

初回はあえてテーマを設定しなかったのだが、参加者で話し合ううちに浮かび上がったのが、

 

「(夫が妻を)責める/詰める」

 

とはどういうことか、という点だった。

 

これは夫婦間のコミュニケーションのなかで、ことばによって、夫が妻を責めているように(妻には)感じてしまう、それが「詰められている」と妻が苦しくなる、一連の場面を指す。

 

参加者がそれぞれの夫婦間での葛藤を語るうちに出てきたのが、この「(夫が)責める/詰める」だった。

 

それはいろいろな場面で現れるが、だいたいは妻が被害者感情を抱く。そして、日常の中でのこの「反復」が、夫婦の中で積み重なっていき、後戻りできない大きな負の感情のピラミッドのようなものとなる。

 

発達障害

 

この背景をさらに分析すると、互いの持つ「発達障害」的特性、境界性人格障害的特性、愛着障害的他者への不信感等が浮かび上がるのだろうが、そのレクチャーは哲学カフェには馴染まないため、それらへの深い言及は今回は避けた。

 

また、コミュニケーションの現象としては、セックスレスや里帰り出産などについても言及されたが、これは時間切れとなり、2回目以降テーマ化することになるだろう。

 

僕が想定していたものよりも、遥かに密度の濃い哲学カフェになったと思う。以降、隔月のペースで開催の予定で、2回目は「カップルにって『ハネムーン期』とは何か」というテーマで話し合おうと思う。