tanakatosihide’s blog

一般社団法人officeドーナツトーク代表、田中俊英のブログです。8年間Yahoo!ニュース個人で連載したものから「サルベージ」した記事も含まれます😀

復活「劣化する支援/NPO」〜イデオロギー、サバルタン(当事者)、商業主義、技術の劣化

10/16に「劣化する支援/NPO」が4年ぶりに復活し、配信形式でしたが、西成高校校長・山田勝治先生とともに以下の点を話し合いました。

 ※

ソーシャルセクター業界で起こっている「劣化」現象には、以下の4点が背景にあると考えます。


それらは、

①リアリズムvs.イデオロギー

サバルタン(語れない当事者)の代弁と代表⇄ /紋切り型の広報

③商業主義の偽善性

④技術と評価の劣化(キラキラNPOはここ)

等々です。


ここに含まれる「劣化」ポイントは、

①では、イデオロギーの優越性
②では、サバルタンの潜在化と、当事者への想像力の不足
③では、社会貢献で隠した金儲け主義
④では、現場を詳細に見ることができない

となります。

 

 ※

 

そして、この「劣化する支援/NPO」企画に反発する人々は、①〜④に自覚的でない人々のようです。

具体的には、

①自らの左翼性ほかに無自覚
②「従来のマイノリティ」への焦点化だけで時間が止まっている。それは「マイノリティ代表」を生み出し、その代表が自身のマイノリティ性を語ることで、「語れない当事者/」が潜在化する。マイノリティの掘り下げが、事業の曖昧化を生じさせるアポリア
③商業的「おいしさ」を隠す
④紋切的「弱者」を信じる

等の表現でまとめることができます。

逆に言うと、上の①〜④に自覚的になれば、「劣化」の進行を止めることができる、ということになります。

 ※

そして以下は、「ポスト劣化」に向けての提言です。

「劣化」したNPOが、自らの劣化を乗り越えるため(あるいは劣化していないNPOがさらに輝き続けるために)のヒントですね。

それらは、

①リーダーが「自分の哲学/思想」を持つこと
②スタッフがそれに共鳴すること
サバルタン(潜在化する当事者ex.子ども)に常に光を当てること。と同時に、「サバルタンは語れない」ことの難点について、常時語ること
④商業主義を隠さないこと(「倫理的なビジネス」が劣化を防ぐ)
⑤ファンを騙さないこと(④の言い換え)
イデオロギーではなくリアリズムに徹すること
⑦法人ミッションと事業コンセプトを貫くこと
⑧「技術」を常に磨くこと
⑨小さな組織であること(①〜⑧を貫徹させるため)

 

11/23の劣化続編「我々は当事者を語ることができるか」ではこの①〜⑨にも言及し、中でも③の困難さを平易に説明したいと思います😀