tanakatosihide’s blog

一般社団法人officeドーナツトーク代表、田中俊英のブログです。8年間Yahoo!ニュース個人で連載したものから「サルベージ」した記事も含まれます😀

2024-01-01から1年間の記事一覧

主体効果subject-effectsの悪魔性

「主体効果subject-effects 」という人間の普遍的傾向が、ポリティカルコレクトネスというタテマエを呼び、サバルタンの潜在化という普遍的悲劇を起こすのでは、という明確な問いを僕は抱いています。 我々は油断するとsubject-effects に囚われてしまい、「…

サバルタンや生命を「ゴースト」化して排除する〜「劣化する支援」の哲学的背景

これはドーナツトーク主催ですので、無料イベントです。ドーナツはイベント=広報と捉えていまして、懐かしやフリー戦略というよりは、まあお金をいただくのがめんどくさいんですね♪ ポリコレをきちんと批判することはもはや僕のライフワークですが、多くの…

ポリティカルコレクトネスはなぜ腐敗しているのか〜ポリコレ原稿5本を並べてみた

長らく僕は「ポリティルコレクトネス」を考えてきた。 その功罪はまだ答えは出ていない。 主としてNPOやジャーナリストが陥ってしまう「ポリコレの腐敗」について、僕なりに論考している。 そのタテマエがポリコレとして前面に出る時、なぜか「サバルタン(…

ポリコレ(タテマエ/正義)か、不倫(欲望/悪)か〜乙武洋匡氏出馬〜

【速報】茂木氏は衆院東京15区補選について、作家の乙武洋匡氏を推薦する方向だと明らかにした:時事ドットコム 乙武氏は、五体不満足と、不倫+家庭崩壊の2つのイメージを持つ。前者は日本社会のポリティカルコレクトネス、後者は日本社会の倫理低下の2…

「既存マイノリティ運動に支えられた欲望と権力」の、新たな分析手法を探して

【問題】中国企業すかし問題の大林ミカ氏と共同親権反対派の赤石千衣子氏の共通点って何でしょうか?(難易度 B)※画像は日本記者クラブ、中部経済新聞 pic.twitter.com/ysCEOQfvQR — 新田哲史 (@TetsuNitta) 2024年3月25日 正解は明日(今日?)らしいので…

パッションと、 パレーシアと、 怨霊と、 愛〜『光る君へ』第12回

僕は、Amazon CMと、映画『火口のふたり』の瀧内公美が大好きだ。その憂い、その正直さ、その自然体の身体。『火口』では共演の柄本佑とがっぷりよつで演じていた。 今日の瀧内も、出演時間の短さのわりに、光っていた。けれどもいつもの微笑ましい存在感と…

「日本の10代」を支援する際の順番と連携、そして必要ポイントが5つある

◾️5つの関連性 今年度ドーナツトークが主催/協力した(する)5つのイベントには強い関連性があります。 それを示すため、5イベントを一つのJPEGにまとめてみました(一枚いちまいのチラシの細かい文字は、僕のfacebookタイムラインを遡ってご参照くださいね…

「光る君たち」で成り立つ国の、民主主義

このポストに見られるように、まさにいま求められるのは「古い政治」からの脱却なのだが、ややこしいのは、大河ドラマ『光る君へ』にも見られるような宮廷政治というか談合政治が我が国の「まつりごと」の中核にあるということだ。 このまつりごとエッセンス…

水底にある「人権」

歌詞は冒頭の2行だけGoogle検索からのスクショ。これだけでもルーリードが描く世界が浮かび上がる。この50年以上前の歌にはもちろんうわっぺらのポリコレはなく、キャンディの側に立ち続けるルーリードの代弁の覚悟のみが伝わる。 当時もキャンディやルーは…

明治維新(被植民地化脱却)と敗戦(独立放棄)に続く、最新の難局〜少子化による「地方」の消滅

◾️1億人到達!」と世間が騒いでいたあの頃 最新の出生数は72万6000人、当たり前だけど過去最少。 去年の「出生数」全国72万6000人で過去最少か 日本総研 | NHK | 少子化 その前年度が75万人。最新出生数は3万人減って72万人。記事ではこの急減をコロナ禍によ…

今日降る雪の、いやしけ吉事〜万葉集のラスト短歌

【新しき、年の初めの、初春の、今日降る雪の、いやしけ吉事】 万葉集のラスト(4516首目!)は、編者である大友家持によるお正月の平和なうた。意味は、「新しい年の初めの初春の、今日降る雪のように、良いことがもっとありますように」とされている。 ち…

道の知らねば ひとり居て 君に恋ふるに 哭(ね)のみし泣かゆ

【◾️作者不明(防人(さきもり)の妻) ◾️よみ この月は 君来まさむと 大船(おおふね)の 思ひ頼(たの)みて いつしかと 我が待ち居(を)れば 黄葉(もみちば)の 過ぎてい行くと 玉梓(たまづさ)の 使(つかひ)の言へば 蛍(ほたる)なす ほのかに聞きて 大地(おほつち…

ミルクを差し出す(adresser)

「ライナスの毛布」は結局「ミルク」だった。正確に言うと、添付画面にある「さあミルクを飲んで」という言葉なのだろう。 高2の頃初めてこの作品(『バナナブレッドのプディング』大島弓子)を読んだ時は、主人公三浦衣良が終盤、髪で顔を隠すこの行為は、…

どうしてもそこに「私」という語を使ってまうのが、ことば

拙論「青少年支援のベースステーション」(人文書院『いまを読む』所収)に、先ほどのadresse(『バナナブレッドのプディング』で描かれるミルクの差し出し)について言及しています。デリダ議論の中で僕が論じたのは『ユリシーズグラモフォン』でした 以下…