tanakatosihide’s blog

一般社団法人officeドーナツトーク代表、田中俊英のブログです。8年間Yahoo!ニュース個人で連載したものから「サルベージ」した記事も含まれます😀

ポリティカルコレクトネスはなぜ腐敗しているのか〜ポリコレ原稿5本を並べてみた

長らく僕は「ポリティルコレクトネス」を考えてきた。 その功罪はまだ答えは出ていない。 主としてNPOやジャーナリストが陥ってしまう「ポリコレの腐敗」について、僕なりに論考している。 そのタテマエがポリコレとして前面に出る時、なぜか「サバルタン(…

ポリコレ(タテマエ/正義)か、不倫(欲望/悪)か〜乙武洋匡氏出馬〜

【速報】茂木氏は衆院東京15区補選について、作家の乙武洋匡氏を推薦する方向だと明らかにした:時事ドットコム 乙武氏は、五体不満足と、不倫+家庭崩壊の2つのイメージを持つ。前者は日本社会のポリティカルコレクトネス、後者は日本社会の倫理低下の2…

「既存マイノリティ運動に支えられた欲望と権力」の、新たな分析手法を探して

【問題】中国企業すかし問題の大林ミカ氏と共同親権反対派の赤石千衣子氏の共通点って何でしょうか?(難易度 B)※画像は日本記者クラブ、中部経済新聞 pic.twitter.com/ysCEOQfvQR — 新田哲史 (@TetsuNitta) 2024年3月25日 正解は明日(今日?)らしいので…

パッションと、 パレーシアと、 怨霊と、 愛〜『光る君へ』第12回

僕は、Amazon CMと、映画『火口のふたり』の瀧内公美が大好きだ。その憂い、その正直さ、その自然体の身体。『火口』では共演の柄本佑とがっぷりよつで演じていた。 今日の瀧内も、出演時間の短さのわりに、光っていた。けれどもいつもの微笑ましい存在感と…

「日本の10代」を支援する際の順番と連携、そして必要ポイントが5つある

◾️5つの関連性 今年度ドーナツトークが主催/協力した(する)5つのイベントには強い関連性があります。 それを示すため、5イベントを一つのJPEGにまとめてみました(一枚いちまいのチラシの細かい文字は、僕のfacebookタイムラインを遡ってご参照くださいね…

「光る君たち」で成り立つ国の、民主主義

このポストに見られるように、まさにいま求められるのは「古い政治」からの脱却なのだが、ややこしいのは、大河ドラマ『光る君へ』にも見られるような宮廷政治というか談合政治が我が国の「まつりごと」の中核にあるということだ。 このまつりごとエッセンス…

水底にある「人権」

歌詞は冒頭の2行だけGoogle検索からのスクショ。これだけでもルーリードが描く世界が浮かび上がる。この50年以上前の歌にはもちろんうわっぺらのポリコレはなく、キャンディの側に立ち続けるルーリードの代弁の覚悟のみが伝わる。 当時もキャンディやルーは…

明治維新(被植民地化脱却)と敗戦(独立放棄)に続く、最新の難局〜少子化による「地方」の消滅

◾️1億人到達!」と世間が騒いでいたあの頃 最新の出生数は72万6000人、当たり前だけど過去最少。 去年の「出生数」全国72万6000人で過去最少か 日本総研 | NHK | 少子化 その前年度が75万人。最新出生数は3万人減って72万人。記事ではこの急減をコロナ禍によ…

今日降る雪の、いやしけ吉事〜万葉集のラスト短歌

【新しき、年の初めの、初春の、今日降る雪の、いやしけ吉事】 万葉集のラスト(4516首目!)は、編者である大友家持によるお正月の平和なうた。意味は、「新しい年の初めの初春の、今日降る雪のように、良いことがもっとありますように」とされている。 ち…

道の知らねば ひとり居て 君に恋ふるに 哭(ね)のみし泣かゆ

【◾️作者不明(防人(さきもり)の妻) ◾️よみ この月は 君来まさむと 大船(おおふね)の 思ひ頼(たの)みて いつしかと 我が待ち居(を)れば 黄葉(もみちば)の 過ぎてい行くと 玉梓(たまづさ)の 使(つかひ)の言へば 蛍(ほたる)なす ほのかに聞きて 大地(おほつち…

ミルクを差し出す(adresser)

「ライナスの毛布」は結局「ミルク」だった。正確に言うと、添付画面にある「さあミルクを飲んで」という言葉なのだろう。 高2の頃初めてこの作品(『バナナブレッドのプディング』大島弓子)を読んだ時は、主人公三浦衣良が終盤、髪で顔を隠すこの行為は、…

どうしてもそこに「私」という語を使ってまうのが、ことば

拙論「青少年支援のベースステーション」(人文書院『いまを読む』所収)に、先ほどのadresse(『バナナブレッドのプディング』で描かれるミルクの差し出し)について言及しています。デリダ議論の中で僕が論じたのは『ユリシーズグラモフォン』でした 以下…

うつせみと、思ひし時に、取り持ちて、我がふたり見し、走出の、堤に立てる、槻の木の、こちごちの枝の、春の葉の、茂きがごとく、思へりし、妹にはあれど 〜万葉と五七の魔術

そもそも日本語のロックはなぜあんなに不自由なんだろうと思い、結局「五七調」に囚われたシニフィアンのせいだろうと思って始めたこのシリーズ、いつのまにか4回続いています。 以下に、4本のURLをコピペしますね。 はっぴぃえんどからYOASOBIまで、結局こ…

山たづの、迎へを行かむ、待つには待たじ〜万葉と五七の魔術④

【原文: 君之行 氣長久成奴 山多豆乃 迎乎将徃 待尓者不待 作者: 衣通王(そとほしのおほきみ) よみ: 君が行き、日(け)長くなりぬ、山たづの、迎へを行かむ、待つには待たじ 意味:あなたがいらっしゃってから、ずいぶんと日が過ぎてしまいました。山たづのよ…

うつせみと、思ひし時に、取り持ちて、我がふたり見し、走出の、堤に立てる〜万葉と五七の魔術③

【うつせみと、思ひし時に[一云(いちにいわく) うつそみと、思ひし]、取り持ちて、我(わ)がふたり見し、走出(はしりで)の、堤(つつみ)に立てる、槻(つき)の木の、こちごちの枝(え)の、春の葉の、茂(しげ)きがごとく、思へりし、妹(いも)にはあれど、 頼(たの…

野守は見ずや君が袖ふる〜万葉と五七の魔術②

【茜(あかね)さす 紫野(むらさきの)行き 標野(しめの)行き 野守(のもり)は見ずや 君が袖(そで)振る】 この頃、日本のロックやジャズばかり聴いてきたと同時に、アメリカやイギリス、ブラジルやフランスほかの音楽も僕は聴く。 それらを聴けば聴くほど、日本…

「陰謀論」が社会運動の根拠化する

下水道の中の「詩」〜XはTwitterを超えた

パリ市長がX退会のニュース。「世界規模の下水道と化した」とのこと。 下水道には下水道のリズムがあって、確かワイダ監督の『地下水道』も限りなく下水に近い水道だったと記憶しますが、絶望の中でも続く「意志」を感じました。 長文の表象(有料)や、集合…

インターナショナルでポリコレなリベラルと、強欲資本主義

及川さんがYouTube(言論の自由を規制するグローバル主義)と決別し、マスク氏のこのXに完全移行するようだ。 21世紀は、20世紀半ばに確立した「リベラル=自由」という構図が完全崩壊している。自由の中でも最も重要な「言論の自由」を守るのは、保守conser…

「起源の善意」が腐敗していった〜「劣化する支援」の系譜学

11/25東京・中野の至誠館大学にて、「オカネはNPOを変えるのか〜NPOのイメージの変遷」というテーマで議論しました。 その議論内容は、ここ5年ほど続けてきた「劣化する支援/NPO」の本格的まとめになったので以下に記します。 ◾️「共通体験」が「支援の専門…

オープンサードプレイス(第二世代居場所)と、クローズドサードプレイス(第一世代居場所)

11/22の「居場所のいま」フォーラム(住吉区子ども若者育成支援事業)は充実しました。結論は以下(添付動画ではラスト15分←facebookから閲覧可能です)。 ▪️「居場所」第一世代と第二世代 神戸フリースクールや淡路プラッツ(田中がゼロ年代に10年代表を務…

それは奈良盆地の早朝の霧になり、決して夜のロンドンにはならない〜万葉と五七の魔術①

この頃僕が思うのは、 日本語を使った瞬間、その曲は日本語に負けてしまう ということだ。日本語の牽引力は凄まじく、それは結局は万葉集的ノリに遡る。和歌とはよく言ったもので、日本語には西洋的リズムは絶対に乗らない。 ここで挙げられているYMO や宇多田…

明確な診断(発達障害やBPD等)のさらなる「底」に潜むトラウマ

目の前に座るクライエントがたとえば発達障害と診断され、アスペルガー特有の行動が目立つとする。あるいはADHD的激しい行動化でもいい。 それに常時向き合うことになる支援者としては、「環境改善」を支援の短期目標に掲げ(視覚情報を元にした「その都度の…

SOGIが古い

よこしまというか、既存の少数マイノリティの人権を守る際、多数のサイレントマジョリティの人権を侵害してしまうことが、現代の最先端人権問題。 そしてここに「既存マイノリティのまぎれ」問題も加わる。 例。「性自認が女性だが見た目は身体が男性マイノリ…

自分もやがては誰かのゴーストになる

「人を喪うこと」はPTSD の代表的原因の一つだと言われる(他に、戦争、自然災害、個人的暴力、交通事故等)。 児童虐待や性暴力等の反復される被害(複雑性PTSD )の深刻さとそのケアと回復が、実は日本社会の大きな課題なのだが、もう一つ、どうしても避けること…

「時間をかけた革命」は、ゆっくりと表現の自由を奪う

「時間をかけた革命」は、窮屈なポリコレなども発明し、ゆっくりと表現の自由を奪う。また、表現の自由に付随する、人間ならではの矛盾したあり方(ドストエフスキー的な文学そのものとしての人間)も排除する。 米民主党や「女性革命家」たちに見られる、ある種…

「根源的暴力(言語や性の不可避の刻印)」と、「闇の暴力(ex.性暴力/児童虐待)」

社会からの「ヘテロ(異性愛)圧力」のようなものも広義の性的暴力かもしれないが、こうした広義の性的押し付けがなければ、一方で種を維持できないというアポリアがホモサピエンスにはある。 だから乳幼児期の性判断は、乳児が人間になるうえで避けることの…

財源終了とともに大移動するNPOトライブ

下の*以下は、少し前に書いたブログ記事(の修正版)です。「トライブ」とは部族のことですね。 現在のNPO業界は、イベント屋(+軽めの支援)が多数を占めるようになった印象があります。 ゼロ年代に隆盛した「ソーシャルビジネス」は、結局、イベント屋と…

ソーシャルワークできない居場所カフェが多い?

SSWはソーシャルワークして当たり前ですが、現在もしかすると、校内居場所カフェでソーシャルワークできているカフェは、ものすごく少ないのかもしれません。 もちろん、府立西成高校のとなりカフェは、地道すぎるソーシャルワークを日々実践しています。 け…

subject は「代表者」に幽霊のように取り憑き、同時に「サバルタン」を潜在化させる

スピヴァクは『サバルタンは語ることができるかCan the Subaltern Speak?』執筆後、大著『ポストコロニアル理性批判』を上梓し、同書3章「歴史」に「サバルタン〜」をブラッシュアップして掲載した。 僕が探した範囲では、元々の『サバルタン〜』原書を見つけ…