tanakatosihide’s blog

一般社団法人officeドーナツトーク代表、田中俊英のブログです。8年間Yahoo!ニュース個人で連載したものから「サルベージ」した記事も含まれます😀

2021-01-01から1年間の記事一覧

「カフェの力」を共同親権ムーブメントに〜「パートナーズカフェ」のはじまり

■「哲学カフェ」 先日、共同親権裁判でしばしはそのお名前を見聞きし、僕自身も加入する「共同親権研究会(西東京ほかがある)」でリーダーシップを取っていただいている古賀礼子弁護士とともに、共同親権をすすめるための「合宿」に僕は参加した。 何人かの…

それは「女性リアリズム」か

耐用年数が過ぎたフェミニズムは、その使命を終えていない(女性差別は残る)ことからまだ生き残るだろう。 だが、そこから溢れでる諸問題(DV加害は30代は女性に多い、実子誘拐は妻が中心、児童虐待は実母が多い、Vtuberに反対するのは60代左翼フェミニスト…

女の「野生」の暴力性

9月 27, 2021 「ジェンダー」概念が含む「男らしさ/女らしさ」には、それぞれ紋切的なあり方がある。そこから飛び出て自由になるために、この通俗的ジェンダーをメタレベルで捉えることが、フェミニズムの基本的姿勢だったはずだ。 けれども現在、そうした…

アタッチメントの呪縛がほどける〜ファーストプレイス(家族)の秘密③

9月 13, 2021 ■アタッチメント期と恋愛期 前回、前々回と、乳児期のアタッチメントや恋愛期の濃密さが「家族」の原点となり、その明確な記憶を消失することで、逆にそれらが理想化されることを簡単に書いた。 その記憶の「イデア」化が、我々の人間関係の原…

アタッチメントと恋愛の、「事後的」甘美〜ファーストプレイス(家族)の秘密②

9月 08, 2021 ** このブログではしばらくの間「家族」を扱おうと思っている。 前回、家族でのコミュニケーションを「感情のコミュニケーション」だとした。 感情のコミュニケーションと名付けざるをえないほど、家族という内部では、何気ないことで摩擦が…

それは「感情」のコミュニケーション〜ファーストプレイス(家族)の秘密

日付: 9月 06, 2021 ■ファーストプレイス(家族)の謎 ずいぶん更新をサボってきたブログだが、しばらく「家族」をテーマに短い文章を書いてみたいと思う。 高校内居場所カフェは居場所であり「サードプレイス」、そして職場や(子どもにとっての)授業/学…

成熟を拒否し、家族解体を志向する(少女の)フェミニズムが支えた、「男女共同参画」政策

■「DV阻止=単独親権」を推し進めるフェミニズム ここ最近、2件立て続けに「共同親権」に関する訴訟が起こされている。2件ともが、共同親権は「基本的人権」のひとつだという趣旨を訴状で述べているのも共通する(共同親権関連資料 訴状(共同親権集団訴訟)…

子育て世帯では、妻/母が暴力の加害者

■30代夫婦は、妻のほうがDVする 少し古い、連合のDVに関する調査(2017年ハラスメントと暴力に関する実態調査 よりhttps://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20171116.pdf?v1120)によると、30代夫婦の場合、妻のほうが夫よりも暴力を多く振るっている…

「ソーシャル複合体」の暴力性

「ソーシャル複合体」の暴力性 日付: 7月 05, 2021 ■「ソーシャル複合体」なんというか、「ソーシャル複合体」とでも名付けざるをえないムーブメントが、ここ10年の日本社会を覆っている。それはまず、IT等のベンチャービジネスから落ちこぼれた人々の逃げ道…

「家族」は解体されない

「家族」は解体されない 日付: 6月 28, 2021 ■「感情体験」の集約の場としての家族 僕が最近思うのは、80年代/昭和フェミニズムの背景にある「家族解体主義」は、何かが決定的に欠落しているということだ。 それはたぶん、家族が含む人間の「信頼」の力を指…

ATフィールドよ、さようなら

■それは、「新潮文庫をひとりで読む」程度のテーマ系 エヴァンゲリオンの最後の映画が3月に公開され、エヴァの諸記録を塗り替えて一般公開が終了しようとしている。 8月末にはDVDが販売される予定だそうで、それもものすごく売れるはずだろうから、まだしば…

男もなぐられる〜なぐられ、虚偽DVされ、支援措置され、実子誘拐され、実子と会えず、自死に追い込まれる

■男もなぐられる 当欄でも度々指摘するように、ドメスティックバイオレンス=DVの局面においては、男性もたびたびなぐられる。 DVは児童虐待と同様、身体的暴力の他に心理的(言葉)なものや経済的なものも含まれる。これらの被害に、もちろん男性/夫もあっ…

サバルタン=オンナは、フェミニストのせいで語れない

** 僕は日々、このオトコ社会で苦闘する10代女性のカウンセリングを行なっている。 オトコ社会の暴力性は21世紀になってもなんら変化しておらず、特にそのターゲットとされる10代から20代前半の女性は、その被害(心理から身体まで幅広くターゲット化)に…

法制審議会「監視付き親子交流」を問う ユニークトーク6/16(水)19:00

■田中俊英Facebookタイムライン 6/16(水)19:00 いつでも再視聴可 無料 田中俊英(officeドーナツトーク) 石井政之(ユニークフェイス研究所) 法制審議会に「監視付き親子交流」という人権侵害の動きがあるという疑いも出てきたりして、法制化に向けてさ…

「夢」に似たオンラインコミュニケーションでは、我々は「孤独」に追い込まれる

■オンライン会議では変になる 以前から僕は、zoomなどを用いてオンライン会議等をするとき、何か変な感覚に陥っていた。 その感覚の「哲学的」理由がこの頃わかった気になったので、簡潔に書いてみる。 哲学者のデリダは『ユリシーズグラモフォン』という小…

「2ちゃんねる」が終わり、「革命」が始まっている

■「搾取」には説得力がない Twitterだけではないが、ここのところ、既成リベラル/サヨク勢力による、SNSの炎上を利用した、「革命」運動が目立つようになってきた。 その趣旨は、以前当欄でも言及したように、19世紀以来の革命の原動力である「搾取」への対…

ふたりは、こころの湖で手をつないで ③午前3時の、星と吊橋

翌朝、ヒカリと先輩は旅館の幽霊の手から無事逃れ、JRに乗り、上野、品川、横浜と来て、伊豆へと到達した。 チェックインは16:00頃、伊豆なのに夕食にはやはりトンカツが出てきて、けれどもふたりはそれを不思議に思わず淡々と食べた。 そのあと、それぞれ風…

ふたりは、こころの湖で手をつないで(新作中編②) ②たぶん、あれは幽霊の手

翌朝、ふたりは早く出発したが、昼間、ふたりとも一度は見ておきたかった古い神社に寄ってしまった。 その神社は広く、途中、たくさんの鹿がいる場所もあった。ヒカリはその鹿たちを見てびっくりしてしまい、先輩の腕をとっさにつかんでしまった。 先輩はヒ…

ふたりは、こころの湖で手をつないで (新作中編小説の1)

1.月の湖 ヒカリが大学1年生の夏休みに東北の海沿いのホテルで1ヶ月のアルバイトを終えたあと、そのホテルに先輩が迎えにやってきた。 先輩とヒカリはまだつきあってはいなかったが、先輩は「迎えに行く」と言い、ヒカリもそれが当たり前だと思った。 ヒカリ…

V. (短編小説⑤)

ついに夫との間で子どもをつくろうという話になった時、カナタは夫にパリへ一人旅に行かせてほしいと頼んだ。 カナタは30才で、パリに住む先輩には未練はないはずだった。だから2年前に夫と結婚したし、夫が自分を大切にしてくれることには感謝していた。 け…

幽霊とダンスできるか?

■オリエンタリズムとしての「釜ヶ崎」 最近話題になった、若手ライターによる、大阪西成区「釜ヶ崎」への「潜入モノ」記事は、吐き気さえ覚えるほどのひどい差別記事だった。 本当に僕は吐き気がしたので、実は全部読んでいないし、読む価値もないと思った。…

「差別」は永久に続く必要がある〜21世紀の「革命」のために

■ 「プロレタリア搾取」ではなく「既成マイノリティ差別」 2010年代より、新しいコミュニズム/共産主義運動が始まっている。ただしそれは、19〜20世紀の「プロレタリア搾取」ではなく「既成マイノリティ差別」を起点とする。 「人種」と「女性」がその代表…

ゴリラというヒトを差別する

日付: 4月 30, 2021 ■西成区釜ヶ崎を訪れた某ライター 当初は、話題の(大阪市)西成区釜ヶ崎を訪れた某ライターのブログを題材に、ここでは書こうと思っていた。 けれどもその記事はホームレスや労働者差別が露骨すぎて読んでいる間本当に僕は吐き気を催し…

「汚濁した社会」を新世界リベラル人は嫌う〜平等主義から全体主義へ

■「自由」ではなく「民主」を選択した いま、限りなく「自由」があぶない。 それは、感染症対策や持続可能性(SDGs)といった一見キレイでポリティカルコレクトネスな側面から攻めてくる。 それらキレイなポレコレは、これまで「リベラル」の担当分野だった…

日本の「自虐性」が「子どもの連れ去り」をつくったのか

■相変わらずの上野千鶴子氏 相変わらず売れっ子言論人の上野千鶴子氏がこんな対談を行なっている。 ここで上野氏はこのように述べる。 上野:私は“許せない”なんて恐ろしいことは言えませんが、子供を持つことに“耐えられない”と表現した方がよいかもしれま…

迷彩と月光のオーバーオール  (短編小説4)

迷彩のオーバーオールで先輩がその本屋の入り口に現れ、それから1時間先輩のパリの話を聞き続けながらカナタは、「これで結婚に踏み切れる」と思っていた。 先輩はパリでポルトガル人の女との間に可愛らしい子どもをもうけ、カナタはその写真をずっと見つめ…

弱いものが弱いものを互いに助け合う〜「劣化する支援」を超えて

■突然訪れるそれ 「誰かと誰かが出会いコミュニケーションすることで、何か化学反応が起こる」的な瞬間は、不意に訪れる。 これは単なる「支援者がクライエントを支援する」「ピアサポートする」といった紋切り的コミュニケーションではない、何か違う次元の…

「おとなNPO」〜劣化を越える強度

■その前に、「おしゃれNPO」とは 「劣化したNPO」という概念の対極として「おとなNPO」があるのでは、と先日僕は思いついた。 何気なくそれをFacebookタイムラインにメモってみたのだが、予想外にその日中に何人かの方から質問があった。 劣化した「おしゃれ…

若者支援には「複合的専門性Complex expertise」が必要〜サポステの刷新か、新しい社会資源を

■最初の頃のサポステは魅力的だった いまから10年以上前、できたばかりの地域若者サポートステーションは魅力的な社会資源だった。 そのサービスは、僕が代表を努めていた「ひきこもり支援NPO」のサービス内容とも重なり、ゆっくりと丁寧に若者たちに寄り添…

オデッセイ (短編小説Ⅲ)

母のアキラと違って走るのが苦手だったカナタだが、50メートル走のスタートは好きだった。体育の先生は火薬臭い鉄砲を耳にくっつけて持ち上げ、片目を閉じていつも引き金をひいた。 カナタは両方の手と指を地面につけ、左足を前に、右足を後ろにして構えた。…