【新しき、年の初めの、初春の、今日降る雪の、いやしけ吉事】
万葉集のラスト(4516首目!)は、編者である大友家持によるお正月の平和なうた。意味は、「新しい年の初めの初春の、今日降る雪のように、良いことがもっとありますように」とされている。
ちなみにタイトルにもしたこの短歌の下の句の原文(万葉仮名)は、
「家布敷流由伎能 伊夜之家餘其騰」
になります。この強引さがたまらない。
万葉集のあと、日本の上代文学は終わり、(現在見られる)かなと短歌(長歌は激減)で構成される古今和歌集の時代が始まる(この下の句に見られるように、万葉集は「当て漢字」の万葉仮名)。
万葉集のこのラスト和歌は、原文は万葉仮名だが、すでにノリはかな文学。万葉集の130年をかけて日本の五七調は完成され、紋切り調の短歌が我々の思考と文学と生活の基盤をつくった😀