tanakatosihide’s blog

一般社団法人officeドーナツトーク代表、田中俊英のブログです。8年間Yahoo!ニュース個人で連載したものから「サルベージ」した記事も含まれます😀

パッションと、 パレーシアと、 怨霊と、 愛〜『光る君へ』第12回

僕は、Amazon CMと、映画『火口のふたり』の瀧内公美が大好きだ。その憂い、その正直さ、その自然体の身体。『火口』では共演の柄本佑とがっぷりよつで演じていた。

 

今日の瀧内も、出演時間の短さのわりに、光っていた。けれどもいつもの微笑ましい存在感というよりは、源明子という役柄どおり、どちらかというと情念と復讐のくらやみから言葉を投げかける人だった。

 

ますます平安トレンディドラマ化し毎週見逃せない『光る君へ』、これだけまひろと道長の情熱が潜在化し長期化の様相を見せると、まひろと将来の夫である佐々木蔵之介の間の子どもの本当の父親が、巷で噂されるように、佐々木ではない気もする。

 

 ※

 

ところで瀧内の源明子も、藤原道長柄本佑との間に何人もの子を産む。だがいずれも、黒木華の源倫子が産む子たちよりは光が当たらない。

 

前述のように、まひろ/紫式部吉高由里子のほうは、年の離れた夫の藤原宣孝佐々木蔵之介が結婚後数年で死に、寡婦となる(子は1人)。

 

今回の道長との破局後、紫式部のパッションは潜在化するだろう(やがて佐々木蔵之介演じる藤原宣孝と結婚)。

 

前述のように、佐々木蔵之介は結婚後すぐに死ぬ。そして紫式部のパッションはやがて『源氏物語』へと向かう(藤原道長柄本佑の依頼)。

 

このように、人々の想いと歴史と連なりが、何層にも積み重なる。

 

今年のこの珍しい平安トレンディドラマは、外国の侵略のない比較的平和な1,000年前の日本を舞台にしながら、長い長い時間に渡って当時の人々や「怨霊」たちが抱き続けた(没落高級貴族の瀧内の一族も恨みを抱く)、

 

パッション(情熱)と、
パレーシア(まごころ)と、
怨霊a ghost of revengeと、
愛love 、

 

の話なのだとわかってきた😀

 

Amazon CMより、滝内久美のほほえみ