tanakatosihide’s blog

一般社団法人officeドーナツトーク代表、田中俊英のブログです。8年間Yahoo!ニュース個人で連載したものから「サルベージ」した記事も含まれます😀

「僕たち子どもの声は届かない、単独親権制度は、子どもの立ち場にたっていないん ですよ」〜3年前のオレンジパレード

タイトル: 「僕たち子どもの声はまったく届かない、単独親権制度は、子どもの立ち場にたったものではないん ですよ」
公開日時: 2020-09-23 10:32:23
概要文: 限りなく真の当事者/子どもたちに近く、もうひとつの当事者であり代弁者である別居親たちで構 成されたこのオレンジパレードは、「共同親権」がもつ懐の深さをよく示している。

本文:

 

■オレンジパレード@大阪


前 回 も 当 欄 で 少 し 触 れ た よ う に ( https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakatoshihide/20200921- 00199332/ 若者には自民党がリベラル、9 月 21 日、共同親権を訴える(主として子と別居する)親たちの集 いが大阪であり、御堂筋を中心に 200 名もの人々がパレードしたようだ。


そのパレードはオレンジパレードと名付けられ、テーマカラーをオレンジとし、シャツやのぼりなどオレンジで 統一されたやさしい雰囲気の集まりになった。


けれどもそこに集う親たちは、子どもの連れ去り/拉致にあった別居親で、中にはその拉致の理由として「虚偽 DV」をでっちあげられた方もいる。そうした別居親の悲しみについては当欄でもたびたびとりあげてきた(たと えばhttps://news.yahoo.co.jp/byline/tanakatoshihide/20200525-00180166/ 子を思って料理する「新 しい父」たち)。


思想的にフェミニズムが先導してきた離婚後の親支援は、激しい DV 被害者も多発したことからこれまで女性に 偏重してきた。 それ自体は有意義な取り組みだったと思うが、当欄で指摘してきたように、そのこと(女性支援偏重)により、 子を拉致 abduction された別居親たちの傷つきは背景化された

(https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakatoshihide/20200808-00192225/ 「パパ、神経衰弱しよう」~ 連れ去られた親の「抜け殻」感https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakatoshihide/20200818-00193926/ 「あの子が死んだのかもしれません」)。


そして何よりも「真の当事者」である子どもの声が潜在化されてきた (https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakatoshihide/20200731-00190968/ 「親が死ぬこと」を子は想像 できない~離婚時の「子どもの連れ去り」の傷つき)。


今回のオレンジパレード@大阪では、その「真の当事者」である子どもたち自らもマイクをもって発言した。

 

■単独親権制度は、子どもの立ち場にたったものではないんですよ!


発言したのは高校生と大学生の2人のハイティーンで、ふたりとも 10 才頃に母親によって連れ去られた (Twitter「「#オレンジパレード」参照)。


1人は自分の中学時代を「黒歴史」だったと表現し、彼女は「自殺も考えた」という。


1人は、自分たちのような苦しいめにあう子どもをつくり続けてはいけない。その苦しさを産みだす大本である 単独親権を共同親権に変更してほしいと訴えた。今回のタイトルにも使ったように高校生の彼は、

 

「僕たち子どもの声はまったく届かない、単独親権制度は、子どもの立ち場にたったものではないんですよ!」 と熱く語りかけた。


時に言葉に詰まりメモを見る彼女と彼に対して、会場からは、パレード参加者からの「ガンバレ!」という呼びか けがある。その一体感は、そこに参加したものを感動させたようだ。


■It’s time for a change to a society


社会に潜在化されたものの声を聞くとき、その問題の本当の当事者は現在進行形でなかなか語ることはできない。 哲学者の G.C.スピヴァクが看破したように、「(真の当事者である)サバルタンは語れない」のだ (https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakatoshihide/20140218-00032763/ 「当事者」は語れない~どう 「代弁」し、どう「代表」するのか)。


その語りは、ある程度自分の問題を客観視でき始めたポスト当事者が「代表」して行ない、同時に、周辺の人々 による「代弁」によって行なわれる。


今回であれば、人前で自分の苦難をなんとか語ることができるようになったその2人の高校生と大学生の若者に よって「代表」して語られた。


だがその語りはまだまだ当事者性を色濃く残し、周辺から「ガンバレ」と励まされ、その声にお辞儀しつつ行な われた「代表の声」だった。


今回は、その代表の声をある種代弁する声がその「ガンバレ」だったと思う。 子を連れ去られた別居親たちは一方では当事者であり被害者であるものの、子どもの連れ去り/拉致問題におけ る最大の当事者である子どもの代表者たちに対して限りなく優しかった。


それを聞いて涙ぐむ別居親たちもいた。 その別居親たちによる「ガンバレ!」という間接的代弁は、真の当事者である子どもに優しい。


限りなく真の当事者/子どもたちに近い若者が参加し、もうひとつの当事者であり代弁者である別居親たち中心 で構成されたこのオレンジパレードは、「共同親権」がもつ懐の深さをよく示している。


連れ去り/拉致被害者である、そうした子どもたちの声を届けよう。


image:image01|center|It’s time for a change to a society where the Kizuna between parents and children is protected!