『響け! ユーフォニアム』関連の作品は総集編以外はほとんど見たが、この『リズと青い鳥』だけが未見だった。
自由に羽ばたく親友の青い鳥を、主人公のリズが手放さない寓話が元になっている。
その寓話を、現実の北宇治高校吹奏楽部の2人の生徒の人間関係をもとに比喩化する。
見ているうちに、どちらがリズ(自己の世界観に他者を閉じ込めたい主体)で、どちらが青い鳥(完全な他者)かがわからなくなってくる。
映画では徐々に、思春期の2人が、親友の相手こそが青い鳥だと思い込み、相手に自由になってもらいたいと必死になる。
2人とも本心ではリズであり、ずっと青い鳥を自分の鳥籠に入れておきたかったのだと気づき始める。
そのバランスを崩すのは、2人が吹くオーボエとフルート。
その音色の継続により、結局は2人ともが自由を求める青い鳥だったのだと気づく。
全体が「詩」で構成された傑作。悔しいけど、日本の才能はアニメに結集していますね。